味見読書ーBOOKテイスティングー
2024年7月10日 12時08分ブログをご覧くださっている皆様は、「味見読書」という言葉をご存じでしょうか?
つい先日、私は初めてこの言葉を耳にしました。
少し調べてみますと、「東京都子ども読書推進計画『未来を支える読書』/東京都教育委員会」というサイトがあり、そこには、中野区立中野中学校教諭の熊倉峰広先生の「『味見読書』で自分自身の『名作』の発見を」というタイトルの文章が掲載されていました。
熊倉先生はこうおっしゃっています。(一部抜粋)
「普段本を読まない生徒たちに理由を聞くと、その多くは「読まず嫌い」であることがわかってきた。だが、世の中でどんなに評判が高い本であっても、それを無理に(最後まで)読むことを強要したのでは、更に本が嫌いになってしまう。」
「本に接する機会の少ない生徒たちほど、自分自身でも自分の「好きな本」が分からないことが多く、自力で自分に相応しい本を探せない……。」
「生徒たち一人一人が、彼ら自身にとっての「名作」に巡り会い、それに親しむことを最大の目標にして「味見読書」を開発した。これは、「最後まで読まなくてよい、つまらなければ他の本に移ってよい。」と断って、生徒たちに見合いそうな本を十数冊薦めてみると、終わりまで読まなくてよいと知った生徒たちは、安心して読書をするようになった、という経緯から誕生した読書指導方法である。」
先日、図書室横の通路を歩いておりましたら、5年生の子どもたちが図書室で授業を受けていました。担任スタッフに聴くと、国語科の「読書の広場➀ 図書館を利用しよう」という単元の学習の一環で「味見読書」を実施しているとのこと。
本校5年部のスタッフは、上の熊倉先生が提唱される「味見読書」を授業に取り入れ、5年常盤っ子たちに「読書の楽しさ」を味わわせたいと考えたようでした。本校の学校司書とも連携し、TTで授業を展開してくれていました。
本校児童も含め、子どもたちの活字離れ・読書離れが課題となっている中、こうした試みにチャレンジしてくれることはとても有難いことです。TEAM常盤スタッフの皆さん!ありがとうございます!!
では、授業の様子を写真にて紹介します。
テーブルには「十進分類表」が貼り付けられていました。そして、そのまわりには、十進分類表の「0~9」に属する図書室の蔵書が、それぞれ数冊ずつ並べられていました。こうした授業前の準備が、授業のねらいを達成できるか否かの重要ポイントとなります。本校スタッフの陰ながらの頑張り・熱意(子どもたちへの熱い思いや愛情)に頭が下がる思いでした。(*^^*)
日頃より好んで読書に親しんでいる子どもたちはもちろん、普段、あまり本に興味を示さない子どもたちにつきましても、目を輝かせて本を開き、活字を追っていました。
全ジャンルをまんべんなく読み切るためには、1冊につき数分しか目を通すことができません。そうした読み方は、5年生の子どもたちにとっては、きっと初めての体験だったと思いますし、だからこそ、楽しく意欲的に本に親しめたのだと思います。
子どもたちの姿を見ながら、本校スタッフの思い・願いは確かに子どもたちの心に響いているなと思いました。5年生のみなさん!これを機会に、「自身にとっての『名作』」にたくさん出会えるといいですね!!(^O^)/
蛇足ですが、「味見読書」という言葉、本校スタッフ間では「『BOOKテイスティング』っていうことですよね!」といった会話が交わされました。自分的にはこちらの方が心にしっくりきます。