蓬生麻中、不扶而直/荀子 勧学篇第一
2025年2月13日 11時48分今日こそ暖かくなりますように…と、祈るような気持ちで出勤しましたが、残念ながらその願いは叶わず、空は鉛色の雲で覆われています。
こうした中、子どもたちには大変申し訳なかったのですが、底冷えのする屋内運動場にて、「朝会(校長講話)」をさせてもらいました。
ただ、常盤っ子たちは、そうした寒さをものともせず、ご覧のようなようなステキな姿で、朝会開始のときを静かに待っていました。
常盤っ子たちにとっては、そうすることが当たり前となっている「黙座」待ちです。本校児童は、開始5分前頃には屋内運動場への入場を終えていますので、5分程度は、全校児童(本校スタッフも)が一言も発することなく「静寂」の中に身を置いて、開会の合図(教頭先生の「起立!」)を待ちます。私はその子どもたちの姿に「常盤小学校の一員であることの自覚と矜持(きょうじ)」を感じますし、そんな子どもたちをいつも誇らしく思っています。
さて、本日の校長講話は、ブログタイトルの「蓬も麻中に生ずれば、扶けずして直し(よもぎもまちゅうにしょうずれば、たすけずしてなおし)」について話しました。
小学1年生にも理解してもらえるよう、写真やイラストを使ったプレゼンを映示しながら語らせてもらいました。できればプレゼン画面も紹介しながら、講話の内容をお伝えしたいところですが、著作権等への配慮が必要ですので、一部のスライドと講話原稿のみの紹介となります。ご容赦ください。
今日は、「麻の中の蓬(ヨモギ)」というお話をします。
「ヨモギ」は道端にもよく生えている雑草ですから、みなさんも見たことがあるかもしれません。
お団子にして食べたり、お茶にして飲んだりすることもできます。校長先生が小さい頃は、擦り傷や切り傷に、すりつぶしたヨモギの汁を塗っていたものです。
ところで、このヨモギはとても曲がりやすい性質をもっています。なので、生長するにしたがって茎がくねくねと曲がります。
一方、「麻」は真っ直ぐに伸びる性質をもっています。なので、天に向かって真っすぐに生長していきます。
さて、お話を「麻の中のヨモギ」に戻します。
今、説明したように、ヨモギは曲がりやすい性質をもっています。このヨモギを、真っ直ぐに伸びる性質をもつ麻の中に植えるとどうなるか…。
【しばし間をおく。】
なんと、麻の中に植えると、ヨモギも真っ直ぐに生長していくそうです。麻の「真っ直ぐな性質」に影響されて、曲がりやすいヨモギが真っ直ぐに伸びていくのです!
さて、このお話を通して荀子さんが伝えたかったのは何でしょうか…。それは、
「人は、真っ直ぐな心をもった善い行いをする人に囲まれて生活していると、自然に自分の心も真っ直ぐになり、善い行いができるようになるものである。」ということです。もう一度!(再度繰り返す)
校長先生は、この常盤小学校が、「青空に向かって真っすぐ伸びる麻が生い茂る、麻畑のような学校」になってほしいと思っています。
悪い誘いに負けて善くない行いをしそうになっている仲間、 物事がうまくいかなくてやけを起こしそうになっている仲間、悩みを抱えて辛く苦しい思いをしている仲間……。 そうした仲間を、誰一人取り残すことなくしっかり支え、励まし合いながら、みんなが一緒に伸びていける常盤小学校になってほしいと心から願っています。
この写真のように、常盤小学校には、麻のように真っすぐな心を持った人がたくさんいますから、きっと大丈夫です!
今、隣に座っている仲間たち、そして、皆さんを見守ってくれている先生方と過ごせるのは、1~5年生が残り26日、6年生については残り25日しかありません。
1日1日を大切にして、みんなで支え合い、励まし合い、高め合いながら、「麻畑」のような常盤小学校にしていきましょう! 以上で校長先生のお話を終わります。
底冷えのする屋内運動場でしたが、1年生から6年生まで全校児童が、集中して真剣に話に耳を傾けてくれていました。
本校スタッフには、「朝会後、各教室で必要な補足説明や学級の実態に応じた訓話等をしてください。」と、事前にお願いしておきました。TEAM常盤スタッフ一同、子どもたちとともに、「麻畑のようなステキな常盤小学校」を目指していきたいと思います。