校内授業研究会【4年・道徳科】
2025年1月15日 13時28分本日、4年の学級で、道徳科の授業研究会を実施しました。「となりのせき/東京書籍『新編・新しい道徳4』」という読み物資料を使っての授業でした。
資料「となりのせき」は、クラスの席替えの際、主人公であるももさんが、普段から苦手に思っているたけしさんが隣席になったことに対して、不満を口にしてしまい、教室内がざわつくというお話です。席替え後、先生や友達、母親から話を聴く中で、自身がとった行動・態度を振り返り、考え込むももさん。授業では、ももさんの立場や気持ちを自分事として考える中で、「公正・公平、社会正義」についての考え方・在り方を話し合い、深め合っていました。
子どもたちは「不公平な態度をとることは良くない」と頭では理解しています。しかし、自分とは異なる感じ方や考え方をする他者に対して偏った見方をしたり、偏った接し方をしたりすることがあります。これは、子どもたちに限らず、私たち大人にも同様な面があります。
そうした中、授業者であるY先生は、学級の子どもたちに、そうした一面が態度等に出てしまうことがある自身にしっかり向き合わせ、それを「自身の弱さ(未熟さ)」として自覚させたいと考え、授業を構想していました。そして、「自分の弱さを乗り越え、誰に対しても分け隔てすることなく、公正・公平な態度で接しようとする態度」を子どもたちに育てたいとの思い・願いを持って授業に臨んでいました。
実際の授業(後半部分)では、子どもたちから多様な思いや考えがアウトプット(ワークシートへの記入、口頭での発表等)されていました。少し紹介します。
〇 友達の良くないところを見つけるのではなく、その人の良いところをたくさん見つけるようにすることが大切。そうするとみんながうれしくなるし、自分の苦手意識もなくなる。
〇 その人の良いところを知らなかったとしても、態度はほかの人と同じにするべき。
〇 苦手だと思っている人でも、しゃべってみると仲よくなれる場合がある。もし仲よくなれなかったとしても、(その人がいやがることは)口に出さずに、心の中にしまっておくことが大切。
〇 言ってよい言葉と悪い言葉があると思う。言葉を口に出す前に、しっかり考えてから話すようにしたい。
〇 誰かにとってうれしいほめ言葉をたくさん言おうと思った。今の4年〇組より、もっとふんい気を良くしたいと思った。
こうした子どもたちの学びの姿から、この時間の授業のねらいであった「誰に対しても分け隔てをせず、公正・公平に接しようとする態度を育てる」に、確実に迫ることができていたことが見て取れました。同時に、その背景(基盤)には、担任であるY先生と子どもたち、そして、子どもたち同士の心のつながり・通い合いがしっかりあることも感じ取れ、心がほっこりしました。
この時間の学びが、今後の彼らの学級生活をより温かく充実したものにしていくことを願うばかりです。