5年総合的な学習「海洋教育出前授業『船のお仕事』」を開催しました!
2024年10月11日 09時28分昨日、今治市役所・産業振興課のYさんの全面的なバックアップの下、5年部スタッフがYさんとタッグを組んでタイトルの会を開催しました。
この取組は、学校現場【今治市立小・中学校】と行政【今治市役所】が、緊密に連携して実施しております「ふるさとキャリア教育」の取組の一つとして、5年の総合的な学習の時間のカリキュラムに組み込んで1学期から継続実施しているものです。
ゲストティーチャーとして来校くださったのは、上で紹介しましたYさんに加えまして、次の4名の皆様でした。
【講師】 木村汽船(株)K様(波方町)
【講師】 井村汽船(株)I様(東門町)
【コーディネーター】
日本海事広報協会 S様(東京都)
四国海事広報協会 T様(高松市)
出前授業の様子を紹介する前に、「ふるさとキャリア教育」について、再度説明させていただきます。(1学期にも一度説明をさせていただきましたが、今治市発信・展開の本事業を広くPRさせていただくとともに、今治市が抱えている未来の課題について皆様にも真剣に考えていただくために再掲します。)
ブログをご覧くださっている皆様もご存じのように、愛媛県(我が今治市も含めまして)の抱えている深刻な課題の一つに「人口減少の問題」があります。下の資料(愛媛県庁企画振興部総合政策課作成/2022.10.28)をご覧ください。
ご覧のように、東予地域の人口は、約40年後には42.8%減の予測となっています。(※現状のまま、何の対策も講じなかった場合です。)
さらに、この東予地域に所在しています今治市の「出生数」の推移を見てみますと、下の資料のように、この20年間(2000年➡2020年)で、何と45.09%の出生数減となっているという深刻な状況です。近い将来、常盤小学校の児童数も激減していくのではないかと懸念しています。
こうした深刻な現状を打破していくためには、未来を担う今治の子どもたちに「将来は、『我がふるさと今治』に帰って生活し、働き、家庭を築き、子育てをしたい!」という思いを持ってもらわなければなりません。
その手立ての一つとして、今治市立の全小・中学校で昨年度一斉にスタートしたのが「ふるさとキャリア教育」です。総合的な学習の時間を中心に、今治市を挙げて展開しています。目的は以下の通りです。
1 今治市の主要な産業について知り、地元で働くことの魅力やよさを理解することで、ふるさとへの愛着や誇りを育む。
2 探究的な見方・考え方を働かせ、身近な自然や人々、社会に関わる横断的・総合的な学習を通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する。
こうした今治市のビジョン・カリキュラムに基づき、常盤小学校の5年生は、「ふるさとキャリア教育」の一環として、「今治市の産業の魅力」を知る学習を進めています。
テーマは「世界の中の今治市~産業編~」です。今治市の産業の魅力発見の探究活動の中で、5年常盤っ子たちは「今治市のステキ&魅力」を実感していってくれるものと期待しています。
では、話を元に戻します。
昨日は、こうした学習の流れの中で開催しました「第2弾の出前授業」でした。
授業のねらいは「日本の物流を支える内航海運業で船長経験のある講師(今回はK様とI様)の実体験を交えたお話を聴かせていただくことで、船の魅力や航海のすばらしさを知る」でした。
実際の授業は…
1 みんなの生活を支えている船
2 船長体験談~写真で見る航海のすばらしさ~
3 質問タイム
という流れでした。
ただ、自身は別のお客様の来校があり、授業に参加できたのは最初だけでしたので、その後の様子がよく分かっていません。5年部スタッフから聴いた話や出前授業後に校長室でお聴きした講師・コーディネーターの方々のお話等を基に、PHOTOアルバム形式でお伝えします!
Yさんから「船はわたしたちにとって、”とても大切な乗り物”である」ということに関するお話があったそうです。「世界に誇る海事都市・今治のすごさ」「海事産業にはどのようなものがあるか?」「船の種類(旅客船/貨物船/漁船/遊覧船など)にはどのようなものがあるか?」「船の役割や魅力とは?」などについて、クイズも交えながら説明があったとのこと…。
では出題されたクイズをみなさんにも!
Q:日本国内の場合、船や飛行機、トラック、鉄道などで荷物を運んでいます。そのうち、「船」で運ぶ割合は次のどれ?
①約10% ②約40% ③約70%
ブログをご覧くださっている皆さん、どれが正解だと思われますか? (※ちなみに、前回の出前授業のクイズで「外国との貿易で”船が運ぶ荷物”の割合は何%か? ①39.6% ②69.6% ③99.6%」というクイズがありました。正解は、なんと「③99.6%」でした。)
では、正解を!
「②約40%」だそうです。
船以外では、「トラック:約50%」「飛行機&鉄道:約10%」とのことです。改めて、「船の役割」の大きさを実感しますね!
Yさんに続いて、講師のK様・I様より「船のお仕事」の実際についてのお話があったとのことでした。
具体的には、
「船員さんの職種・役割(船長/航海士/機関士/甲板部員/機関部員/通信士/事務員(司厨員))について」
「船で運ぶもの(コイル/ビレット/線材/厚板/新幹線/コークスなど)について」
「航海中の船内の生活の様子(ミーティング/メンテナンス/食事(餃子)作り/食材調達(カツオ釣り)」
「船の設備(ブリッジ/エンジンルーム/船員室/食堂など)について」
「船内の食事(トンカツ定食・ラーメンチャーハンセット・かもそば・ハンバーグ定食・アップルパイ/船内パーティーなど)について」
「寄港先での”ご当地グルメ”(長崎ちゃんぽん・愛知豊橋カレーうどん・讃岐うどん・博多屋台など)について」
「船から眺める美しい景色(雄大な夕日/入港/ひとりじめの大海原/海上から眺める富士山)のすばらしさ」
「休暇中の過ごし方の実際」
「船員さんの推しポイント(お給料が高い/長期勤務&長期休暇/国家資格を持てる/海好きにはたまらない/やりがいがある)とその逆(船酔い/不規則な生活/長期間家族・友人に会えない)」
盛りだくさんの説明や体験談に、子どもたちは目を輝かせて聴き入っていたようです。メモ用紙が足りなくなって、先生に追加の用紙をもらいにいった子どもたちもいたようです。
「新幹線を船で運ぶ」と聴き、写真まで見せてもらった子どもたちは、驚いていたとともに、すごく興味深くお話に耳を傾けていたようです。確かに、我々大人であっても興味深く、珍しい情報(写真)ですよね! 出前授業後、講師の方に裏話をお聴きしましたが、「いつ・どこから・どこに向けて新幹線車両を運ぶか?」という情報を、どこでどうやって入手するのか、マニアの方々がカメラを持って待ち構えていることもあるようです。こうした裏話も興味深く拝聴しました。(*^^)v
興味深いお話を聴かせていただいた後、質問コーナーがありました。子どもたちからの質問があまりに多く、全然時間が足りなかったと5年部スタッフから聴きました。それくらい子どもたちにとっては、楽しく・面白く、心にささったのだと思います。
来校くださった皆様が、「常盤の子たちが、真っ直ぐ目を見て話を聴いてくれて、嬉しかったです。あまりに静かに&真剣に聴いてくれるので、逆にこちらが緊張しました!」と言ってくださいました。有難いことです。さすが常盤っ子!!!(^^)!
講師並びにコーディネータの皆さん、大変楽しく、有意義な時間をご提供くださいまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。今回の学びを、今後の学習や活動に生かしていきたいと思います。
皆様の今後ますますのご活躍とご多幸を祈念しております。