朝会・講話「人間の根っこ」
2023年10月19日 09時18分本題に入る前に、驚きのエピソードを一つ!
昨日の午前中、お客様を見送るために前庭に出たところ、驚きの音が耳に飛び込んできました。
それは、「シャン シャン シャン」という音。一瞬耳を疑いましたが、それは紛れもなく「クマゼミの鳴き声」。「まさか10月の半ばに蝉の鳴き声?」と、お客様と共に首をかしげました。一瞬で真夏に引き戻された不思議な感覚を覚えました。
そして、さらに不思議な感覚に包まれましたのが、「蝉はどこ?」と楠を見上げてその姿を探しておりましたら、鼻先を「金木犀の香り」がかすめたときでした。「凛と澄んだ秋の静けさ」と「真夏のざわめき」が同居している、あまりの季節感のなさに唖然としました。と同時に、空恐ろしくもありました。
最近、日本から四季がなくなりつつあるという話をよく耳にします。専門家によりますと、日本から「秋」と「春」がなくなりつつあるとのこと。大げさかもしれませんが、地球の気候変動が危機的状況を迎えていることを肌で感じた出来事でした。
では本題に!
本日の朝会にて、全校児童に校長講話をさせてもらいました。
今回のテーマは「人間の根っこ」。ステージ奥のスクリーンにプレゼンテーション資料を映示しながら語り掛けました。
【講話内容】
2学期がスタートして48日が過ぎました。 暑かった夏が終わり、爽やかな風が吹く、心地よい季節になりました。
今日の講話では、みなさんに、ある詩を紹介したいと思います。 「相田みつを」という人が書いた短い詩です。 校長先生の好きな詩の一つです。
読んでみます。 耳と目で、しっかり聴いてください。
?が二つありますね。 この?には、両方、同じ言葉が入ります。 漢字一文字(ひともじ)の言葉です。 今日は、この?に入る言葉を、みなさんに、まずは考えてほしいと思います。
その前に、 この詩の意味が分かりにくいという人がいるかもしれませんので、少し説明します。桜の木を例にして説明します。
まず、1行目の「花を支える枝」です。 「花」は分かると思いますので、 「枝」について説明します。 「枝」というのは、
この絵のように、たくさんの「花」がついている、細い木の部分のことです。一本の木に、「枝」は何百本、何千本とあり、一輪一輪の「花」を、しっかりと支えています。
次に、2行目の「枝を支える幹」について説明します。「幹」というのは、この絵の真ん中の、
太い木の部分です。 「幹」は、何百、何千とある細い「枝」の一本一本を、しっかりと支えています。
最後は、3行目と4行目です。「幹を支える?」 「?はみえねんだなあ」 さて、「?」の中にはどんな言葉が入るのでしょうか? この太い「幹」を、目に見えないところで しっかり支えているのは何でしょう? 分かった人は、静かに手を挙げてみてください。ありがとう。静かに手を下ろしてください。
では、答えを言います。 「?」に入る言葉は………
「根」です。
見てのとおり、「根」は、目に見える地上の木と同じくらいの大きさに地中深く伸びています。 そして、地上の「花」や「枝」や「幹」をしっかり支えています。誰の目にも見えないところで、ひっそりと、そして、しっかりと!
最後に、この詩をとおして、校長先生がみなさんに伝えたかったことを話します。 耳と目と心でしっかり聴いてください。
人は、誰しも、誰かが見ているところでは頑張れるものです。しかし、大切なのは、誰も見ていないところで どれだけ頑張れるか…だと思うのです。地中深く、誰の目にも見えないところで、「花」や「枝」や「幹」を、ひっそりと、そして、しっかりと支えている「根」 校長先生は、常盤小学校のみなさんに、 この根っこのような人になってほしいと思っています。
そして、「人間の根っこ」を深ーく伸ばし、「自分色の花」を、立派に咲かせてほしいと思っています。
常盤小学校のみなさんなら、きっとできます。みなさんの頑張りに期待しています!
終わります。