朝会「校長講話」【その2】
2023年5月22日 08時30分校長講話の続き…お待たせして、申し訳ありませんでした。
5/18(木)のブログ〔朝会「校長講話」【その1】〕(←クリックするとブログページにとびます。)
の続き【その2】を紹介させていただきます。
ここから講話概要⇓
続いて、あじさいの「じ」です。「じ」は「じぶんのステキ じっくり見つけ ゆっくり育てる」です。
あれー 悲しそうな顔をしている男の子がいますねえ…。
実はこの男の子! 「ぼくは、のろまなんだ…。」と落ち込んでいるようです。
しかし、校長先生は、そんなに悲しんだり、落ち込んだりしなくてもいいんじゃないのかな…と思うのです。
校長先生は、この男の子にこんな言葉をかけてあげたいです。
君は「のろま」なのではなくて、「いろいろなことに時間をしっかりかけて、すべきことを丁寧にしているんじゃないのかなあ?」
君は「のろま」なのではなくて、「イライラしたり、あせったりすることなく、ゆったりすごせているんじゃないのかなあ?」
君は「のろま」なのではなくて、「人との競争や勝ち負けにこだわらず、大らかな心ですごすことができているんじゃないのかなあ?」
この男の子のように「のろま」っていう言葉で自分を表現してしまうと、自分が嫌になってしまうかもしれませんね。でも、今話したように、ちょっと見方を変えれば、自分が短所や弱みだと思っていることは、逆に長所や強みなのかもしれません。校長先生は、そうしたみなさんの良さや頑張りを「ステキ」と表現したいと思います。そして、常盤っ子のみなさんには、自分のステキを、時間をかけてじっくり見つけ、気長にゆっくりと育てていってほしいと思います。あなたたちは、たくさんのステキをもっています。自分を信じ、自分のステキをいっぱい見つけて、自分のことをもっともっと好きになってください。
続いて、あじさいの「さ」です。「さ」は「さまざまな考えあって当たり前 チガイをうけいれ そこから学ぶ」です。
これからお話することは、校長先生がまだ若かった頃に本で読んだお話です。お話は、ずーと昔…今1・2年生がお勉強している「生活科」という教科ができる前のお話です。昔は、「生活科」がなくて、1・2年生も3~6年生と同じように「理科」のお勉強をしていました。
その頃、北国のある小学校で実際にあったお話です。
2年生のある学級の理科のテストに、このような問題が出されました。
さて、みなさんなら何と答えるでしょうか?(※こう問いかけますと、多くの常盤っ子たち(1・2年生も)が挙手してくれました。ただ、時間の都合で、一人一人の意見を聴けませんでしたので、「みんなで、せーの!」で一斉に答えてもらいました。子どもたちの答えは…?)
「みずー(水)!」
ありがとう。では正解をスクリーンに!
さすが常盤っ子!すばらしいですねー!よくできました。答えは「水」です。(※常盤っ子たちからは歓声が… すごくカワイかったです)
ところが、このクラスのある女の子は、これとは違う答えをテストに書いたそうです。
さて、何と書いたんでしょうねえ?(※子どもたちは興味津々の表情……)
その女の子は……?
「春」
と書いたそうです。
(※私が驚き、感動したのは、このときの常盤っ子たちの反応です。 内心「えーーーー?」といった、やや否定的な反応が起こるかな…と予想していたのですが、その予想は見事に外れました。 多くの常盤っ子たちから「へーーーー!(なるほどーーーー!)」という肯定的かつ受容的・共感的な声があがったのです。笑顔でうなずいていた常盤っ子もたくさんいました。「なんて感性豊かな、心優しい子どもたち」なんでしょう!常盤っ子たちの「頭の育ち」とともに、「心の育ち」を実感できた瞬間でした。)
さすが常盤っ子!! 「春」という字を見て、多くの人が「へー!!(なるほどーー。)」と、笑顔でうなずいてくれましたねえー。校長先生は、とってもうれしいです!! 北国に住むこの女の子は、寒い寒い冬の終わりを毎年待ち続けているのでしょうね…。そして、雪が解け始めると、ずっと待ち続けた「春」がやってくる。だからテストに「春」と書いたんでしょうね。
北国ではなく、暖かな愛媛・今治に住む常盤っ子のみなさんが、この女の子の気持ちを察して「うんうん、わかるわかる。」とうなずいてくれたこと、校長先生はすごくうれしく思います。みなさんの優しさや感性の豊かさに感動しました!!
ちなみに、校長先生がこの女の子のクラスの担任なら、「水」だけでなく「春」にもきっと丸を付けたと思います。もしかすると、「春」には花丸をつけたかもしれません。
さて、何をみなさんに伝えたいか…。このお話のように、世の中の多くのことは「答えが一つではない」ということです。いろいろな考え方や受け止め方があります。だから、みなさんにも、自分の思いや考えにこだわり過ぎず、いろいろな意見や考えを受け容れることのできる柔らかな頭と心をもってほしいと思います。そして、様々な見方や考え方から、自分の中にはなかったなあ…と思うものを取り込んだり学び取ったりして、自分をより良く成長させてほしいと思います。
※ この続き(「あじさい」の「い」の話)は、また後日お伝えします!
5/29(月)のブログ〔朝会「校長講話」【その3】〕(←クリックするとブログページにとびます。)