子どもたちの「心」のパトロール
2023年12月13日 09時14分学校現場では、「トイレを見れば子どもたちの心の状態が分かる」と、よく言われます。自身も若い頃から先輩方に何度も言い聞かされてきましたし、「子どもたちの心の状態を推し量る一つの目安」として大切にしている視点です。
「魔の11月」「11月危機」「11月クライシス」という言葉も学校現場にはあります。この言葉には、「11月は、子どもたちの心身の状態が不安定になりやすく、学校や学級が荒れることが多い時期」という意味・警告が込められています。
11月は、夏の暑さが和らぎ、過ごしやすくなる時期ではありますが、その一方で「1日の寒暖差や週単位での寒暖差が激しくなる時期」でもあり「『心』と『体』のリズムを崩す子どもたちが増える時期」でもあります。(私たち大人にも同様の傾向がありますよね。) また、「運動会や文化的イベントなどの大きな行事が終わり、目標を失いがちな時期」でもあり「学校&学級生活に良くない意味で慣れ、『緩(ゆる)み』や『弛(たる)み』『綻(ほころ)び』が生じてくる時期」でもあります。
こうした傾向は、本校の子どもたちにも少なからず見られます。暖冬と言われている今年は、「秋」が長引いている感じで、例年なら「寒さで心身が引き締まる12月」なのかもしれませんが、いまだにそうならず、「魔の11月」が続いていることを感じる場面があります。
さて、そうしたこともあり、「秋(暖冬の今年は、今も『秋』と捉えています。)」は「トイレ回り(子どもたちの『心』のパトロール)」の回数を増やすようにしています。今朝方も、1時間目の授業時間帯に「心のパトロール」を行いました。
全トイレ(女・男の両方)のスリッパの写真を撮影してみましたので、ご覧ください。(※もちろん、ありのままの様子を撮影しており、並べ直し等は一切していません。)
ブログをご覧くださっている皆様の目には、今朝のトイレスリッパの様子、どのように映ったでしょうか?
自身は、最初にお伝えしましたように「トイレの様子は、子どもたちの心の状態を推し量る一つの目安」と考えており、これですべてが分かるなどとは全く考えていません。当然、子どもたちがトイレを使うタイミングや状況(体育の授業前で更衣に時間が掛かり、休み時間が終わる寸前に大勢がトイレを利用しており、みんな授業に遅れないか焦りながらスリッパを履いたり脱いだりしたので乱れた…(>_<)など)もあるでしょう。
ただ、継続的に観察しておりますと、大まかな傾向はなんとなく見えてきます。見えてくるものの中で、「心配なこと」は機を逃さずTEAM常盤スタッフに伝え、そのことを念頭に置いて子どもたちを見守ってもらったり、必要な言葉掛けや指導をしてもらったりしています。
その一方で、いつも感心するのは、上記のようなことを伝えると、多くのスタッフが既にそのことを察知・把握しており、「そうなんです、校長先生!」「今、うちの子どもたち(自学年部の子どもたち)、ちょっと気持ちが浮ついてて、けじめがつきにくい状況なんです!」等の反応が返ってくることです。(^.^)
各学年で使うトイレは、基本的には教室から近いトイレとなっております。したがいまして、上の写真を見ますと、各学年部スタッフには、自学年部の子どもたちが使うことの多いトイレのスリッパはすぐに分かると思います。(※スリッパの色や数、トイレフロアの形状等を熟知しているので判別できると推測します。)
写真を見て、良いことにしろ心配事にしろ、何かを感じ取ったTEAM常盤スタッフは、それに応じた対応(称揚や励まし、必要な指導等のフィードバック)をしてくれるはずです。目の回る忙しさの中、そうしたことを地道に積み重ねてくれている本校スタッフには感謝しかありません。有難いことです。
本校では、このように、小さなことをこつこつと積み重ねることを大切にしながら、「当たり前のことが当たり前にできる常盤っ子の育成」に引き続き取り組んでいきたいと考えています。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
追伸
トイレに加えまして、本校では、「誰もいない教室の佇まい」も大切にしています。特別教室や運動場等での授業に行っている際、自教室には誰もいません。そのとき、教室内がどのような状態になっているか…ということからも、子どもたちの「心」の状態を推し量ることができると考えています。本校では、目指す教師像に「子どもに寄り添い、子どもの姿から学ぶ教師」と「見えない所に大切なものがあることを知る教師」の二つを掲げています。「目につきにくいところ」や「見えないところ」にこそ大切なものがあり、真実が隠されていることが少なくないことを常に心にとめて、TEAM常盤スタッフ一同、子どもたちと共に成長したいと思います。
1時間目に体育科、家庭科の授業で自教室を空けていた低学年と高学年の学級の様子です。両学級とも、子どもたちの心は安定しているようです。(*^^)v