5年・ふるさとキャリア教育「今治市の産業の魅力を発見しよう!!ー”海事都市”今治ー」
2023年6月23日 15時00分本日(6/23)、学校現場【今治市立小・中学校】と行政【今治市役所】が、がっちりタッグを組んで展開しております「ふるさとキャリア教育」の一環として、本校5年生を対象にした出前授業を実施しました。
出前授業の様子を紹介する前に、「ふるさとキャリア教育って何?」と思われている方が多いと思いますので、少し説明させていただきます。
ブログをご覧くださっている皆様もよーくご存じのように、愛媛県(我が今治市も含めまして)の抱えている深刻な課題の一つに「人口減少の問題」があります。下の資料(愛媛県庁企画振興部総合政策課作成/2022.10.28)をご覧ください。
ご覧のように、東予地域の人口は、約40年後には42.8%減の予測となっています。(※現状のまま、何の対策も講じなかった場合です。)
さらに、この東予地域に所在しています今治市の「出生数」の推移を見てみますと、下の資料のように、この20年間(2000年➡2020年)で、何と45.09%の出生数減となっているという深刻な状況です。近い将来、常盤小学校の児童数も激減していくのではないかと懸念しています。
こうした深刻な現状を打破していくためには、未来を担う今治の子どもたちに「将来は、『我がふるさと今治』に帰って生活し、働き、家庭を築き、子育てをしたい!」という思いを持ってもらわなければなりません。
その手立ての一つとして、今治市立の全小・中学校で今年度一斉にスタートしたのが「ふるさとキャリア教育」です。総合的な学習の時間を核にして、市を挙げて展開しています。目的は以下の通りです。
1 今治市の主要な産業について知り、地元で働くことの魅力やよさを理解することで、ふるさとへの愛着や誇りを育む。
2 探究的な見方・考え方を働かせ、身近な自然や人々、社会に関わる横断的・総合的な学習を通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する。
こうした今治市のビジョン・カリキュラムに基づき、常盤小学校5年部では、「ふるさとキャリア教育」の一環として、「今治市の産業の魅力」を知る学習を進めてきました。
テーマは「世界の中の今治市~産業編~」です。今治市の産業の魅力発見の入口を「造船」に設定し、「造船のスゴイ!」を主にインターネットを活用しながら調べてきました。その過程で、5年生の子どもたちは「実はスゴイぞ!今治の産業!!」を実感しつつあります。
また、「今治市は日本最大の海事都市」という事実も知りました。海事産業には「造船」だけではなく、「海にまつわる様々な仕事」が存在することを知り、子どもたちは「海事都市今治」への興味・関心を深めているところです。
併せまして、先月(5/26)受講しました出前講座(←※クリックすると紹介ブログにとびます。)で貨物船船員航海士の方のお話を聴かせていただいたことも手伝って、子どもたちの興味・関心は「海運業」へと向かっています。
そうした中、本日の授業には「愛媛海運(株)取締役・相談役の藤本様」と「今治市役所産業振興課の新發田様」のお二人(お二人とも常盤校区ご在住。)を、講師としてお招きしました。授業のテーマは「今治市の産業の魅力を発見しよう!!-”海事都市”今治-」でした。
まずは学年主任さんからの講師紹介がありました。
ご講話は、新發田様がメインとなって授業テーマに沿ったお話をしてくださり、合間合間に藤本様が補足説明をしたり現場エピソードを披露してくださったりする形で進めてくださいました。
講話概要は以下のような内容でした。
1 船の役割について
船の役割には「移動の手段(フェリー、屋形船)」「魚等をとる(漁船)」「荷物等を運ぶ(コンテナ船、タンカー)」などがあることを、まず話してくださいました。
続いて、クイズ形式のお話でした。スライド写真を紹介しますので。ブログをご覧の皆様もちょっと考えてみてください。
問題①
問題②
いかがでしょうか?お分かりでしょうか?
ちなみに、5年生の子どもたちですが、【問題①】は全員正解、【問題②】は1/3程度の正解といった感じでした。【問題①】の正答率には新發田様が感心されていました。
ちなみに正解は、問題①➡③99.6%、問題②➡②約40% でした。
続いては、「コンテナ船はどんなものを運んでいるのか?」ということについてのお話がありました。自動車の部品や家具などの大きくて重いものから衣類等の小さくて軽いものまで、多種多様なものを運んでいることが分かりました。
ちなみに、一般的なコンテナの大きさは、2.4m×6m×2.5mだそうですが、世界最大級のコンテナ船(全長400m)には24000個も積載できるそうです。子どもたちも驚いていました!改めて、物流を支える上で、船が果たす役割がいかに大きいのかを実感するとともに、上記の問題①の答えにうなずけました。
2 海事都市今治について
2005年の大合併(12の市町村が合併)により、今治市は船に関する産業が集まる一大拠点となりました。これを機に、今治市は「日本最大の海事都市」として日本中・世界中にその存在をアピールするようになりました。
藤本様のお話では、そのようにして今治市が「日本最大の海事都市今治」を積極的にアピールしてくれたお陰で、「今治」という名前(自治体名)の認知度や海事産業の信用度が一気に高まったとのことでした。今治市の戦略が見事に的中したといえるのかもしれません。
ブログをご覧くださっている皆さんに質問です!
① 「日本最大の海事都市今治」には、海事関連の会社が何社くらいあるでしょう?
② ①の会社で働く人は何人くらいいるでしょう?
③ ①のうち、外航海運業の会社は何社くらいあるでしょう?
④ ③の会社で保有している船は何隻くらいあるでしょう?
お分かりになりますか?私は、全く知りませんでした。教えていただいて、改めて「日本最大の海事都市今治」の規模の大きさやシェア率の高さを認識しました。子どもたちは、お話を聴かせていただきながら、一生懸命メモをとっていました。
答えは、下の写真にてご確認ください。
この後は、「なぜ今治で海事産業が発達したのか?」「海事産業を未来につなぐための今治市の取組」などについてのお話がありました。
そして、最後は、本日のお話を基に質疑応答がありました。その内容は割愛させていただきますが、5年生の子どもたちからは、素朴な疑問や鋭い質問等々が次々に出されました。講師のお二人は、常盤っ子たちの質問の量と質の高さに驚いておられました。 さすが、常盤っ子!!
藤本様、新發田様、本日は貴重なお話をありがとうございました。お陰様で、5年生の常盤っ子たちは、ますます「今治市の海事産業」や「日本最大の海事都市今治」に対する興味・関心を深めたとともに、「ふるさと今治」への愛着や誇りを高めたと思います。また、機会がありましたら、ぜひご来校いただき、お話をお聴かせください。