昨年度末から今年度初めに常盤小に滞在していた「ロボットPepper(ペッパー君)」が、今治市内他校を巡った後、今秋再び、常盤小学校に戻ってきてくれました。常盤っ子たちは、久しぶりに再会したペッパー君に大喜びです。
このペッパー君につきましては、本ブログで何回か紹介してきました。WBCで大活躍したラーズ・ヌートバー選手の「歓喜パフォーマンス」が「Pepper mill」だったことと関連させて「ペッパー君の記事」をアップしたこともありました。【4/25のブログ】 懐かしいーーーー!!
さて、ペッパー君が今治市内の学校を巡回している主目的は、実は「ペッパー君を活用したプログラミング学習」にあります。
ブログをご覧くださっている方の中には「そもそもプログラミングって何?」と思われている方が少なくないと思いますので、少し説明をします。ただし、以下の説明は、教育現場の方以外にも分かりやすいよう「ロボットを活用したプログラミング」に限定しての説明をさせていただきます。
プログラミングとは、簡単に表現すると「機械にしてほしいことをできるだけ簡潔に依頼(指示)すること」です。人間同士が依頼する場合は、主に母国語(日本語や英語、ドイツ語、ハングル語など)の単語や文法を使って、文脈を考えながら伝えます。機械も同じで、機械語を使って伝達します。この機械語を人間にも分かる形にしたものが「プログラミング言語」です。そして、このプログラミング言語を使って、機械への依頼(指示)を書いたものが「プログラム」で、このプログラムを作ることを「プログラミング」といいます。
プログラミングでは、その依頼(指示)の仕方一つで、自分がしてほしい動き等を機械がスムーズにしてくれる場合もあれば、その逆もあります。といいますか、うまくいかない場合の方が圧倒的に多いと思います。その「うまくいかないことを、うまくいくようにするにはどう修正すればよいのか?」を考え、繰り返し試行錯誤を積み重ねることに、プログラミング学習の意義があるわけです。その試行錯誤の過程の中で、「課題の解決策を論理的に考える力(論理的思考力)」を、子どもたちに身に付けてもらいたいと私たちは考えています。
上記のような思い・願いや目的を、確実に具現化するためには、TEAM常盤スタッフの「ペッパー君を活用したプログラミング学習」における指導知識や指導スキルの習得・習熟が必要不可欠です。そこで、今週の水曜日【10/4】に、「プログラミング実技研修会」を開き、知識アップ&スキルアップを図りました。
メイン講師は、ICTに堪能な本校の若手スタッフがやってくれました。また、アドバイザーとして今治市が配置してくれているICT支援員のIさんも参加し、懇切丁寧にバックアップしてくれました。Iさん、ありがとうございました!
ペッパー君に依頼(指示)するためのプログラミングは、今治市から子どもたち&教員全員に貸与されているタブレット端末を使って行います。各タブレットで作成したプログラムをペッパー君に送信することで、ペッパー君に動いてもらいます。極論すると、全校児童一人一人のプログラムをペッパー君に送信して、数百通りの動きをペッパー君にしてもらうことも可能ということになります。(※ただし、ペッパー君の受信・記憶キャパには、おそらく限りがあると思われますので、全校児童分は難しいかもしれません。)
ちなみに、ペッパー君ができること(ペッパー君に依頼(指示)できること)の主なものには、次のようなものがあります。
①人との会話/②人を発見してその動きを顔で追う/③外国語での会話/④声の大きさや高さを変える/⑤ジェスチャーをする(頭・首・両腕を使ったラジオ体操なども)/⑥ホイールを使って移動・回転する/⑦ロボアプリを使って遊ぶ/⑧胸のディスプレイに動画や画像や文字を映す/⑨タッチセンサを使って動きをコントロールする
本校スタッフは、上記のような様々な動き等のプログラミング法について、熱心に学習していました。時間に限りがありましたので、全ての機能等の研修をすることはできませんでしたが、来週から本格的に始まる「ペッパー君を活用したプログラミング学習」に向けてのウォーミングアップができた様子でした。
実際の授業(プログラミング学習)の様子も後日お知らせしたいと思っています。
【余談……校長の独り言】
本ブログで紹介しました「プログラミング教育」もそうですが、めまぐるしいスピードで発展・変化していく社会情勢の中で、学校現場の教員たちは、次々と「教えるべきこと」「すべきこと」が増え続けています。「スクラップ&ビルド」という言葉がありますが、学校現場は「スクラップ(つぶす・なくする・減らす)業務」はほとんどなく、「ビルド(新たに加える・増やす・求められる)業務」が増える一方というのが実情で、正に「ビルド&ビルド」の様相です。
本校のスタッフを見ておりますと、そうした厳しい状況下にありながらも、次々に湧き出てくる様々な求めや期待になんとか応えようと、心身を削りながら献身的に頑張ってくれています。校長として、「スクラップ」が思うに任せない現状を、本当に申し訳なく思っていますし、そうした中で、懸命に頑張ってくれているスタッフには感謝しかありません。
ブログをご覧くださっている皆様にも、そうした実情を少しだけ知っておいていただきたいと思い、独りごちました。
★ ちなみに下の資料は、今から約6年前に文科省が打ち出している働き方改革緊急提言の概要です。しかし、現場最前線目線では、その後、改善・解決されたものはほとんどないというのが、正直な感想です。下の赤タイトルをクリックしてください。当該サイトにとびます。
〈参考資料〉「学校における働き方改革に関する緊急提言【概要】」文科省 平成29年12月26日