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「チャットGPT」エピソード

2023年6月29日 10時00分

 6/20(火)のブログ(←クリックするととびます。)にてお伝えしました「チャットGPT」興味深いエピソードを紹介します。

弓削商船高等専門学校から講師をお招きして開催した「チャットGPT講座」の様子↓

 本ブログのテーマは「チャットGPTは万能ではない!ミスもする!」です。

 講座の中でも、講師の先生が「チャットGPTを信用し過ぎてはいけません。事実とは異なることをいかにも事実っぽく回答してくることもありますからご注意ください!」と言われていました。

 では、本題に!

 本ブログをいつもご覧くださっている皆様はご存じだと思います。先日〔6/26(月)〕のブログで「中央値」のお話をアップしました。実は、その際、「ちょうどいい!チャットGPTを使って、『中央値の問題と解説』を作ってみよう!」と思い立ち、やってみました。 

 以下、そのときのチャットGPT(以後「チ」と表現)とのやりとりの概要を紹介します。

 ちなみに、「おかしいぞと思った部分」赤ゴシック文字にしていますので、参考になさってください。

 

 チャット【その①】

「小学6年生レベルの中央値を求める問題と解説を教えて」

「もちろんです。以下に問題と解説を示します。」

「問題:あるクラスの生徒の身長データが以下の通り与えられています。(単位cm)『130,140,135,145,150,125,160,155,140,130』

このデータの中央値を求めてください。」

「解説:まず、与えられたデータを昇順に並び替えます。

125,130,130,135,140,140,145,150,155,160

データが奇数の場合は、中央に位置する値が唯一の中央値となります。偶数の場合は、中央に位置する2つの値の平均が中央値となります。

ここで、データ数は10個なので、奇数です。したがって、昇順に並び替えたデータから中央に位置する値を求めます。

125,130,130,135,140,(140),145,150,155,160

 中央に位置する値は「140」です。よって、中央値は「140」となります。」

「以上が、小学6年生レベルの中央値を求める問題とその解説です。質問や疑問点があれば、お気軽にお聞きください。」

 

★ 上記のチャットGPTからのメッセージに「大いなる疑問」を抱いた私は、以下のように「再質問」をしました。 

チャット【その②】

「データ数は10個だから偶数では?」

「申し訳ありません。先ほどの回答に誤りがありました。与えられたデータ数は10個であり、実際には偶数です。」

「以下に修正した解説を示します。」

「解説:与えられたデータを昇順に並べ替えます。

125,130,130,135,140,140,145,150,155,160

データ数が偶数の場合、中央値は中央に位置する2つの値の平均となります。この場合、中央に位置する2つの値は「140」と「145」です。

よって、中央値は(140+145)/2=142.5となります。

 「ご指摘いただきありがとうございました。もし質問や疑問点があれば、お気軽にお聞きください。」

 

 ★ 再び、チャットGPTからのメッセージに「大いなる疑問」を抱いた私は、以下のように「再々質問」をしました。 

チャット【その③】 

「中央値は(140+140)/2=140では?」

「申し訳ありません、再度誤りがありました。おっしゃる通り、データ数が偶数の場合には、中央に位置する2つの値の平均が中央値となります。」

「以下に修正した解説を示します。」

「解説:与えられたデータを昇順に並べ替えます。

125,130,130,135,140,140,145,150,155,160

データ数が偶数の場合、中央値は中央に位置する2つの値の平均となります。この場合、中央に位置する2つの値は「140」と「140」です。

よって、中央値は(140+140)/2=140となります。」

「再度の誤りにつき、お詫び申し上げます。ご指摘いただき、ありがとうございました。もし質問や疑問点があれば、お気軽にお聞きください。」

  いかがでしょうか? 結局2度の再質問により、やっと正しい解答と解説を得ることができました。小学6年生レベルの問題作成・解説においてですら、こうしたミスが発生するケースもあるわけですから、こうしたことを念頭において、慎重に活用することが肝要です。何事も「過信(過剰に信じること)」は禁物ですね!

 なお、参考までにお伝えしておきますが、チャットGPTは「同じ質問」をした場合でも「その都度、異なる回答」が返ってきます。実際、私も本日、このブログを入力するに当たりまして、上記のチャット【その①】と全く同じ質問を再度してみましたが、全く異なる回答・解説が返ってきました。お知りおきください。

「命を守る着衣泳講習会」を開催しました!

2023年6月28日 14時10分

 今治消防本部並びに今治海上保安部の皆様が多数来校くださり、両部署の精鋭スタッフさん方が連携して「命を守る着衣泳講習会」を開いてくださいました。

 水の事故は、着衣状態で起こるケースが多いことから、講習会では「着衣状態での動きにくさを実体験する中で、事故に遭遇してしまった場合の『命を守る行動』の在り方を学ぶ」ことを目的としてご指導くださいました。(※子どもたちの様子、反応、泳力等々を丹念に見取りながら、その場その場で臨機応変に講習内容を組み立て直してくださっていました。)

 対象は常盤小学校の5・6年生で、なんと、本日午前と明日午前の2日間に渡って実施してくださいます。(本務のお仕事もある中、常盤っ子たちのために多大な時間を割いてご指導くださり、感謝しかありません。

 指導くださるスタッフ数と児童数、プールの大きさ(広さ・容量)の関係から、5・6年生約180名を4グループに分け、1グループ90分のカリキュラムを組んで実施してくださいました。子どもたちの準備物は「きれいに洗った長袖上着・長ズボン・運動靴」で、次のようなカリキュラム(講習の流れ)で、実施してくださいました。

 

1 「命」を守る重要ポイント!(5分)

 ※ スタッフさん方によるデモンストレーション(演示)

  ① 正しい入水

※ 授業で使用しているプールは、水温や深さ、底の形状等を知った上で入水しているが、自然の海や河川は、そうしたことがほとんど分からない上に、「流れ」がある。そうした状況下で、ザブンと一気に入水した場合、事故につながる。したがって、万が一を想定しながら慎重に入水することが大切。

  ② 命を守る「呼吸」と「背浮き」

※ 人間の体は、基本的には浮く構造。それは肺に空気が入っているから。したがって、水の事故に遭った際は、肺に空気をたくさん入れることが重要。その空気を体内に取り込めるのは「口」「鼻」。したがって、この二つの部位を空気中に出した姿勢を保つことが必要不可欠。そのためには、「仰向け」「脱力」「バンザイでバランス保持」等がポイントとなる。それらを満たすのが下の「背浮き」↓

▲ やってはいけないこと

「パニックになって暴れる(急速な体力低下を招く)

「大声で助けを求める(肺の空気が体外に出てしまう)

「手を挙げて助けを求める(水中にいる状態で浮かせることができるのは『体の2%』。手を挙げてしまうとそれだけで2%に達する。その結果、絶対に浮かせておかなければならない「口」「鼻」が沈んでしまう)

 

2 着衣泳を体験しよう!(40分)

  ① 着衣しての入水➡歩く・泳ぐ➡背浮きの実体験

 子どもたちは、服を着て&運動靴を履いた状態で入水し、歩いたり走ったり泳いだりしながら、「動きにくさ」を体感していました。

 そうした中、スタッフさんから「動きにくいから服は脱いだ方がいいのかなあ?」という問い掛けがありました。子どもたちの反応は様々でしたが、正解は「脱がない」でした。理由は「水中で脱ごうとすると一気に体力を奪われる」「服には空気を蓄える力があるので、それを使って味方にした方が良い」とのこと。こういう知識非常事態「命を守る」のですね!

 続いて、バディによる「背浮き」チャレンジがありました。まずは、身近な「命を守るグッズ」として「ペットボトル」を使った「背浮き」の体験・練習をさせていただきました。

 その上で、自信がついた子どもたちから順に、ペットボトルなしでの「背浮き」にチャレンジしていました。

  正に「手取り・足取り」で懇切丁寧にレクチャーしていただいたお陰で、子どもたちの「背浮きスキル」はぐんぐんと上達していきました。「命を守るスキル」を、短時間で着実に身に付けていった常盤っ子たちでした。

 

 ② ライフジャケットのスゴサ体験

 子どもたちは、過去にライフジャケットを着用した経験はあったようでしたが、実際に水中で使った経験がある子は、ほとんどいない様子でした。

 興味津々の子どもたちに、スタッフさんからライフジャケットの利点(すごくよく浮く、水中でもよく目立つカラー)や種類、装着方法等をレクチャーしていただき、実体験させていただきました。 

 

 子どもたちは、その性能の高さ(思いのほか良く浮く!)に感動していた様子でした。泳ぎが得意でない子も、ぷかぷかと浮く感覚を存分に味わっていました。

 スタッフさんからは、「海や河川に出かける際は、お家の人にお願いしてライフジャケットを買ってもらい、万が一のアクシデントに備えて、着用して行動してほしいな!」という言葉掛けがありました。

 子どもたちの実体験の様子を見ながら、「確かにそうだな!」「万が一、水の事故に遭遇した場合でも、ライフジャケットを身に付けていれば『命を守れる可能性』は格段にアップするな!」と痛感しました。本ブログをご覧くださっている皆様、ぜひ前向きにご検討ください。

 

3 休憩(10分)

 

4 1分間背浮きテストにチャレンジ!(10分)

  ここまでの体験学習(知識の習得やスキル練習)を基に、子どもたちは「1分間背浮きテスト」にチャレンジしました。バディで見守り合いながら、また、スタッフさん方にアドバイスや励ましの言葉をいただきながらチャレンジしていました。自力では自信のない子どもたちは、ペットボトルに助けてもらいながらチャレンジしていました。

 

5 身近なモノ(浮具)を使って!(5分)

 ※ ランドセルや釣り竿・ペットボトルなど、身近なモノを使って命を救うデモンストレーション(演示)

 「みなさん!ランドセルは浮くと思いますか?」との質問がスタッフさんからありました。正解は「浮く!」です。「ランドセルには空気が結構入っているからよく浮くよ!」「教科書やノートも、ページの間に結構空気が入っているから浮くんだよ!」とのことでした。

 私自身、教科書のお話には驚きました。要するに、万が一の場合は、教科書やノートを入れたままでランドセルを投げても構わないということ…。1秒を争う緊急事態には、この知識が有るか無いかが、「命を左右する」ということを知りました。

 続いて、釣りをしている際に友達が海に落ちてしまった場合「釣り竿とペットボトルを使った救助法」についてデモンストレーションをしてくれました。

 写真では分かりにくいのですが、釣り糸の先には少し水を入れたペットボトル(※水を少し入れることで、遠くに投げることができる。)を結び付けています。これを海に落ちてしまった友達に投げて渡します。

 友達がペットボトルをつかんだら、ゆっくりとリールを巻いて友達を引き寄せ、助けます。

 子どもたちは身を乗り出すようにして、デモンストレーションを見ていました。身近な道具も使い方次第で「命を救う(守る)ツール」になることを学びました。

 

6 チェーン・オブ・サバイバル!(5分)

 ※ 寸劇による「救助の連鎖」のデモンストレーション(演示)

 先ほどの「身近なモノを使って命を救うデモンストレーション」を発展させた寸劇「チェーン・オブ・サバイバル」を、スタッフさん方が総出で披露してくださいました。ストーリーは次のような内容でした。

 

① 仲良しの二人が、下校中に少しおふざけをしていて、一人(以下A)が海に落ちてしまう。

 落ちなかったもう一人(以下B)が、ランドセルを投げて、浮き代わりにするよう言葉を掛ける。

 BはAに「静かに浮いて、待つんだよ!」(※暴れるな!(体力温存)/大声を出すな!(空気を肺に残す)/落ち着いて!(パニックにならない)/背浮きで!(口・鼻を海面から出して呼吸する)の観点から)と、繰り返し言う。

 Bが絶対にしてはいけないことは、「自分で助けに行く」こと。

 近くの大人に助けを求める。118番(海上保安庁)」119番(消防署)」に通報してもらう。

 救助の専門家(海上保安庁や消防署の『救助のプロフェッショナル』)に救助してもらう。 

 無事救助されたのを見届けた子どもたちからは、自然に拍手が…。

 

7 まとめよう!「水の事故に遭ったら…?」(10分)  

 ここまでの講習や上記「6」で紹介・説明しました大切なポイントの一つ一つを、スタッフさん方が改めて押さえ直しながら、子どもたちに分かりやすく話して聞かせてくださいました。

 そして、最後に、今治市消防本部並びに今治海上保安部の皆様から、常盤っ子たちに二つのメッセージ貴重なプレゼントを贈ってくださいました。

① 今日の体験学習で学んだことや考えたこと、感想などをお家の人に必ず話して伝えてください!

② 水の事故絶対に、絶対に、遭わないでください!

 ★ 貴重なプレゼント「水難救済会」というボランティア団体様からのプレゼントとして、「レスキューチューブ」常盤小学校に贈ってくださいました。

 今治市消防本部並びに今治海上保安部の精鋭スタッフの皆様、本日は、大変有意義な「命を守る着衣泳講習会」を開いてくださり、本当にありがとうございました。講習会で身に付けました「知識」「スキル」を、今後の生活にしっかり生かすことで、皆様へのお礼と恩返しにしたいと思います。

 

昨日の「中央値」の問題④の答え

2023年6月27日 09時30分

 おはようございます。 昨日とは打って変わって、今日は晴れ間が広がっています。 常盤っ子たちは、外遊びやプールでの授業などを存分に楽しんでくれています。

 さて、昨日のブログの最後に出題していた問題④の解答をお伝えします。

参考までに【問題④】を下に再掲しておきます。

問題④ 次の値の中央値を求めましょう!

8、10、-2、0、1億、4、8、19、ー1000、22、13、ー4

 

正解を導くためには、まず大きさ順に並べ替える作業が必要です。ここでは、小さい順に並べてみます。

ー1000、-4、-2、0、4、8、8、10、13、19、22、1億

 ここで、ポイントとなる(子どもたちが迷う)のが、

① 0は入れるのか?

② 大きさが同じ値の扱いはどうするのか?(この問題の場合は「8」の扱い。)

 です。 

では、解説を…。

① この問題は大人向けの問題でしたので、「-(マイナス)」がついた値を三つ入れていました。したがって、皆さんは迷わず「0」を含めたことと思います。それでOKです。

② 「8」が二つありましたが、両方ともデータとして示された「値」ですので、もちろん両方とも「値」として扱います。

 

 ということで、この問題の「値」の数は「12個」となり、偶数です。偶数の場合は、「12÷2=6」となり、小さい方から6番目と大きい方から6番目の二つの値が中央値を求める際の対象値になります。この問題の場合は「8」と「8」です。したがって、その二つの値の平均値が中央値になりますので、「(8+8)÷2=8」となり、「8」が正解となります。

 さて、普段の生活では、この「中央値」を使うことはあまりないかもしれません。しかし、この「中央値」には利点(メリット)があります。それは、「最小値や最大値に異常値があっても影響を受けないこと」です。

 上記の問題④にも「1億」という異常値を意図的に入れていました。もし、「平均値」で「12個」のデータ(値)の傾向を分析したとしますと、誤った傾向の捉え方をしてしまうケースがあるかもしれません。

 「数字のマジック」という言葉を耳にすることがありますが、算数や数学で大切なのは、「数字に踊らされない」ことや「数字の結果を鵜呑みにしないこと」だと思います。小学校の算数授業でも、私たちは、そうしたことを意識して指導することで、「広い視点から物事を考える」「多面的に物事を捉える」といった力を子どもたちに育てたいと考えています。

 

 話は変わりますが、高校時代に数学の先生がこんな話をしてくれました。

「君たち、1=0.9999……って知ってた?」

「分数の1/3は小数だといくつ?」「そうだね、1÷3=0.3333……だよね。」

「じゃあ1/3×3は?」「そうだね、3/3=1だよね。」

「ということは、こうならない?」

「1/3=0.3333……で、左右に3を掛けたらどうなる?」

「左:1/3×3=3/3=1」「右:0.3333……×3=0.9999……」

「ほら! 1=0.9999……ということになるでしょう?」

算数、数学って奥が深いですね……。

授業ウォッチング

2023年6月26日 12時20分

 今日から再び梅雨空に戻り、朝から雨が降ったり曇り空が広がったりしていてはっきりしない天候となっています。こうした目まぐるしい天候(気圧や湿度)の変化や寒暖(気温)差等が原因でしょうか…体調を崩す子どもたちやスタッフが増えています。ブログをご覧くださっている皆様も十分お気を付けください。

 そうした中、今日は6年生の教室に足を運んでみました。

 算数科の授業をしていたクラスがありました。「資料の調べ方」という単元の学習で「中央値」について勉強していました。

 皆さんは、この「中央値」ってご存じでしょうか?日常生活の中では「平均値」を用いる機会の方が多いと思いますし、今一つ馴染みのない値ですので、「なんとなく分かるけど、今一つピンとこない。」「正確な求め方が分かっているか自信がない。」という方が少なくないかもしれませんね。

 では、「試しの問題」にチャレンジ!

 「次のデータの中央値を求めましょう!」

① 1、2、3、4、5

② 1、2、3、4、5、6

 「中央値」というのは「データを大きさの順に並べたとき、ちょうど真ん中になる値」(6年教科書の記述を参照)のことです。ということは…

① 「3」となります。

では、

②は?➡「3か?4か?」

データ数が偶数の場合の中央値は、「真ん中の二つのデータの平均値」が中央値となります。したがって、

(3+4)÷2=3.5で「3.5」が答えとなります。

 

 では、次の問題はいかがでしょうか?

③ 1~999の整数があります。中央値は?

 今日、授業を見せてもらったクラスでも、このことについて議論していました。(※実際の授業では、1~7や1~13のような、もう少し範囲の狭いデータで議論していました。)

 この問題の場合、1~999の全ての整数をノート等に書き出して、指で押さえながら中央の値を求めていたのでは、能率が悪いですよね。「では、何か良い方法はないか?」というのが議論のテーマとなります。

 子どもたちから出されていた考え方のパターンは、次のような3タイプでした。

A 999÷2=499余り2 余りは無視して499の次の値が中央値になるから「500」

B 999÷ 2=499.5 小数部分を四捨五入して求めた値が中央値になるから「500」

C (999-1)÷2=499  この計算式で求めた値の次の値が中央値になるから「500」

 1~5、1~9、1~13などの狭い範囲の整数を基に、「中央値の求め方」を考えそこから導き出した方法・考え方(計算式や法則性など)を適用して、よりレベルの高い問題にチャレンジするという発展的な学習ができていました。

 

 では、最後にもう一つ問題を!少しひねりを加えています。

 

④ 次の値の中央値を求めましょう!

8、10、-2、0、1億、4、8、19、ー1000、22、13、ー4

  ぜひ、チャレンジしてみてください!! 

5年・ふるさとキャリア教育「今治市の産業の魅力を発見しよう!!ー”海事都市”今治ー」

2023年6月23日 15時00分

 本日(6/23)、学校現場【今治市立小・中学校】と行政【今治市役所】が、がっちりタッグを組んで展開しております「ふるさとキャリア教育」の一環として、本校5年生を対象にした出前授業を実施しました。

 

 出前授業の様子を紹介する前に、ふるさとキャリア教育って何?」と思われている方が多いと思いますので、少し説明させていただきます。

 ブログをご覧くださっている皆様もよーくご存じのように、愛媛県(我が今治市も含めまして)の抱えている深刻な課題の一つに「人口減少の問題」があります。下の資料(愛媛県庁企画振興部総合政策課作成/2022.10.28)をご覧ください。

 ご覧のように、東予地域の人口は、約40年後には42.8%減の予測となっています。(※現状のまま、何の対策も講じなかった場合です。)

 さらに、この東予地域に所在しています今治市の「出生数」の推移を見てみますと、下の資料のように、この20年間(2000年➡2020年)で、何と45.09%の出生数減となっているという深刻な状況です。近い将来、常盤小学校の児童数激減していくのではないかと懸念しています。 

 こうした深刻な現状を打破していくためには、未来を担う今治の子どもたちに「将来は、『我がふるさと今治』に帰って生活し、働き、家庭を築き、子育てをしたい!」という思いを持ってもらわなければなりません。

 その手立ての一つとして、今治市立の全小・中学校で今年度一斉にスタートしたのが「ふるさとキャリア教育」です。総合的な学習の時間を核にして、市を挙げて展開しています。目的は以下の通りです。

1 今治市の主要な産業について知り、地元で働くことの魅力やよさを理解することで、ふるさとへの愛着や誇りを育む。

2 探究的な見方・考え方を働かせ、身近な自然や人々、社会に関わる横断的・総合的な学習を通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する。

 

 こうした今治市のビジョン・カリキュラムに基づき、常盤小学校5年部では、「ふるさとキャリア教育」の一環として、「今治市の産業の魅力」を知る学習を進めてきました。

 テーマは「世界の中の今治市~産業編~」です。今治市の産業の魅力発見の入口を「造船」に設定し、「造船のスゴイ!」を主にインターネットを活用しながら調べてきました。その過程で、5年生の子どもたちは「実はスゴイぞ!今治の産業!!」を実感しつつあります。

 また、「今治市は日本最大の海事都市」という事実も知りました。海事産業には「造船」だけではなく、「海にまつわる様々な仕事」が存在することを知り、子どもたちは「海事都市今治」への興味・関心を深めているところです。

 併せまして、先月(5/26)受講しました出前講座(←※クリックすると紹介ブログにとびます。)で貨物船船員航海士の方のお話を聴かせていただいたことも手伝って、子どもたちの興味・関心は「海運業」へと向かっています。

 そうした中、本日の授業には「愛媛海運(株)取締役・相談役の藤本様」「今治市役所産業振興課の新發田様」のお二人(お二人とも常盤校区ご在住。)を、講師としてお招きしました。授業のテーマは「今治市の産業の魅力を発見しよう!!-”海事都市”今治-」でした。

 まずは学年主任さんからの講師紹介がありました。

 

 ご講話は、新發田様がメインとなって授業テーマに沿ったお話をしてくださり、合間合間に藤本様が補足説明をしたり現場エピソードを披露してくださったりする形で進めてくださいました。 

  講話概要は以下のような内容でした。

1 船の役割について

 船の役割には「移動の手段(フェリー、屋形船)」「魚等をとる(漁船)」「荷物等を運ぶ(コンテナ船、タンカー)」などがあることを、まず話してくださいました。 

  続いて、クイズ形式のお話でした。スライド写真を紹介しますので。ブログをご覧の皆様もちょっと考えてみてください。

問題①

 

問題②

  いかがでしょうか?お分かりでしょうか?

 ちなみに、5年生の子どもたちですが、【問題①】は全員正解、【問題②】は1/3程度の正解といった感じでした。【問題①】の正答率には新發田様が感心されていました。

  ちなみに正解は、問題①➡③99.6%、問題②➡②約40% でした。

 続いては、「コンテナ船はどんなものを運んでいるのか?」ということについてのお話がありました。自動車の部品や家具などの大きくて重いものから衣類等の小さくて軽いものまで、多種多様なものを運んでいることが分かりました。

 ちなみに、一般的なコンテナの大きさは、2.4m×6m×2.5mだそうですが、世界最大級のコンテナ船(全長400m)には24000個も積載できるそうです。子どもたちも驚いていました!改めて、物流を支える上で、船が果たす役割がいかに大きいのかを実感するとともに、上記の問題①の答えにうなずけました。

 

2 海事都市今治について

  2005年の大合併(12の市町村が合併)により、今治市は船に関する産業が集まる一大拠点となりました。これを機に、今治市は「日本最大の海事都市」として日本中・世界中にその存在をアピールするようになりました。

 藤本様のお話では、そのようにして今治市が「日本最大の海事都市今治」を積極的にアピールしてくれたお陰で、「今治」という名前(自治体名)の認知度や海事産業の信用度が一気に高まったとのことでした。今治市の戦略が見事に的中したといえるのかもしれません。

 

 ブログをご覧くださっている皆さんに質問です!

① 「日本最大の海事都市今治」には、海事関連の会社が何社くらいあるでしょう?

② ①の会社で働く人は何人くらいいるでしょう?

③ ①のうち、外航海運業の会社は何社くらいあるでしょう?

④ ③の会社で保有している船は何隻くらいあるでしょう?

 お分かりになりますか?私は、全く知りませんでした。教えていただいて、改めて「日本最大の海事都市今治」の規模の大きさやシェア率の高さを認識しました。子どもたちは、お話を聴かせていただきながら、一生懸命メモをとっていました。

 答えは、下の写真にてご確認ください。

 

 この後は、「なぜ今治で海事産業が発達したのか?」「海事産業を未来につなぐための今治市の取組」などについてのお話がありました。

 そして、最後は、本日のお話を基に質疑応答がありました。その内容は割愛させていただきますが、5年生の子どもたちからは、素朴な疑問鋭い質問等々が次々に出されました。講師のお二人は、常盤っ子たちの質問の量と質の高さに驚いておられました。 さすが、常盤っ子!!

 藤本様、新發田様、本日は貴重なお話をありがとうございました。お陰様で、5年生の常盤っ子たちは、ますます「今治市の海事産業」「日本最大の海事都市今治」に対する興味・関心を深めたとともに、「ふるさと今治」への愛着や誇りを高めたと思います。また、機会がありましたら、ぜひご来校いただき、お話をお聴かせください。

ショート集会「『生活委員会のあいさつ教室』集会」【オンライン集会】

2023年6月22日 09時10分

 今日も曇天の朝を迎えています。少し前から霧雨が落ち始めました。プールでの授業を楽しみに登校してきてくれた子どもたちが、ガッカリしないよう天候が回復してくれることを祈るばかりです。

 

 さて、今朝は、生活委員会プレゼンツのショート集会「『生活委員会のあいさつ教室』集会」がありました。今回の集会は、参集型ではなく分散型で、タブレット端末や電子黒板を使ってオンラインにて実施しました。TEAM常盤スタッフはもちろん、子どもたちも経験豊富かつ機器操作に習熟しており、スムーズ&スマートに行うことができました。

 いつものように集会委員会の進行で運営されました。集会のねらいは…「すてきなあいさつについて紹介することで、あいさつの仕方について知ったり、進んであいさつしようとする意欲を高めたりする。」でした。

 集会委員会による「はじめの言葉」の後、生活委員会による発表&パフォーマンスがありました。概要は以下のとおりです。

1 「あいさつカード」をもらった人数のグラフ紹介

※ 「あいさつカード」の取組につきましては、5/31と6/1のブログに3回シリーズで紹介していますので、ぜひそちらをご覧ください。

 クリック➡【その1】(5/31)  【その2】(5/31)

【その3】(6/1)

  

 生活委員会からは、下のグラフが示されました。

 これは、6/16(金)までに「あいさつカード」をもらった人数をクラス別に集計してグラフ化したものです。(ご覧のように、主に低学年のクラスは頑張ってくれているようですが、全体的には今一つの様子です。)

 これを全校児童に示した上で、生活委員会から「頑張ってくれているクラスもありますが、まだまだ少ないと感じています。」 「常盤小にあいさつの輪を広げるためにも、私たちはもっとたくさんの常盤っ子に『あいさつカード』を手渡したいです!」とのコメントがありました。

 

2 生活委員会児童による「あいさつ教室」

 そして、これを実現するために、生活委員会から「ステキなあいさつのコツ(ポイント)」を伝授する「生活委員会あいさつ教室」のパフォーマンスがありました。

 あいさつレンジャーに扮した集会委員会児童が、パフォーマンスとクイズをミックスしながら、「ステキなあいさつのコツ(ポイント)」を3点紹介してくれました。

クイズ①「あいさつするときは、どのような顔でするといいでしょう?」➡正解「笑顔」【ポイント①】(笑顔であいさつできると、相手も気持ちよくなるよ~!)

 

クイズ②「あいさつするとき、相手のどこを見ればいいでしょう?」➡正解「目」【ポイント②】(目を見て(アイコンタクト)あいさつしてもらえると、「あっ!自分にちゃんとあいさつしてくれた!うれしい!!」という気持ちになるよ~!)

 

イズ③「あいさつの声は、どんな声がいいでしょう?」➡正解「明るい声」【ポイント③】(相手に気持ちが伝わるように、明るく言えるといいですね~!大きすぎる声はダメですよ~!) 

 

 ユーモア溢れるコミカル&パワフルなパフォーマンスがすばらしかったです。オンラインで視聴していた常盤っ子たちもすごく楽し気な表情・雰囲気でした!!

 

3 「常盤あいさつ名人」の「ステキなあいさつ」披露

 続いて、常盤小学校の「あいさつ名人(2年3組の児童二人)」に登場してもらい、いつも実践してくれている「ステキなあいさつ」を全校児童に披露してもらいました。 

 

4 各学年代表児童の感想発表

 続いて、生活委員会児童の発表&パフォーマンスやあいさつ名人の「ステキなあいさつ」を視聴しての感想を、各学年の代表児童が発表してくれました。

 代表児童は、各学級のタブレットカメラを使って、教室から感想発表をしてくれました。画面の切り替え等生活委員会の児童が手際よく行ってくれました。さすがです!!

 

5 先生のお話

 最後に、生活委員会担当スタッフからのお話がありました。

 生活委員会の子どもたちが紹介してくれた「ステキなあいさつの3ポイント」である「①笑顔で」「②相手の目を見て(アイコンタクト)」「③明るい声で(適度な声量)」を再度確認した上で、全校児童を対象にスキル・トレーニング(その場で実際にやってみる)を実施してくれました。学校中から常盤っ子たち「ステキなあいさつ」の声が響いてきました。

 本日の集会が良いきっかけとなって、常盤っ子のみんな「ステキなあいさつの輪」が広がってくれることを願うばかりです。

 生活委員会のみなさん!集会委員会のみなさん!バックアップをしてくださった先生方! 有意義で楽しい、すばらしい集会を開いていただきありがとうございました!!

 

授業ウォッチング

2023年6月21日 15時10分

 このところの梅雨の晴れ間から一転、今日は朝から鉛色の雲が広がり、2時間目が始まる頃にはが落ち始めました。当初は小雨でしたが、お昼前からは結構雨脚が強くなってきました。

 こうした天候の中、常盤っ子たちは、外遊びや水泳授業ができず、きっとストレスを溜めていることと思います。そうした子どもたちのことを気にしつつ、5時間目に4年生の教室を回ってみました。

 3クラス中、1クラスは体育科の授業で教室におりませんでしたので、教室で授業を受けていた2クラスの授業ウォッチングをしてきました。

 最初に教室におじゃましたクラスでは、図工科の授業をしていました。「コロコロガーレ」という題材で工作にチャレンジしていました。テーマは「ビー玉が転がる仕組みを使って、楽しく遊べるものをつくろう!」です。材料は「ボール紙、パステル造形紙、ウェブシート(赤・黄・緑)」で、使う道具類は「はさみ、のり、木工用接着剤、セロハンテープ、マーカー(マジック)」などでした。

  白いボール紙にマーカー(マジック)で模様を描く子、ボール紙の台紙に柱を立てて接着する子、パステル造形紙やウェブシートを好みの形に切り抜いている子など、それぞれのイメージを基に、楽しそうに造形活動に取り組んでいました。

 先生に相談しながら作品作りにチャレンジしている子もいました。

 みんな、想像を膨らませ、構想を練りながら、自身のイメージを形にしていく作業に集中していました。

 

 続いてのクラスは、国語科の授業でした。「リーフレットで知らせよう」という小単元の学習で、学習テーマは「見学したり調べたりしたことをまとめて、分かりやすく報告するリーフレットを作り、家や地域の人たちにしらせよう!」でした。

 4年生の子どもたちは、総合的な学習の時間で探究した「蒼社川探検」の学習活動リンクさせ、次のような手順で学習を進めていました。

① 蒼社川探検を通して見付けた「課題」を洗い出す。

② 絞り込んだ「課題」を基に、読み手に「伝えたいこと」を明確にする。

③ 「伝えたいこと」を分かりやすく、正確に伝えるために必要となる内容を本や資料等を活用して調べる。

④ 「課題」「伝えたいこと」を効果的に表現するために、リーフレットの構成を考える。

⑤ ①~④を基に、マイ・リーフレットを作成する。

⑥ 作成したマイ・リーフレットを使って、伝え合う

 今日の授業では主に④⑤の学習活動に取り組んでいました。総合的な学習の時間「蒼社川の自然」で、楽しみながら学びを深めたことが国語科の学習にしっかり生かされており、どの子も集中して意欲的にリーフレット作成を進めていました。

 ちなみに、それぞれが設定したテーマには、次のようなものがありました。一部を紹介します。

「川がよごれる原因について調べる」

「川のよごれが生き物に与える影響は?」

「蒼社川にはどのような生き物が住んでいるか?」

「人間にとっての川底工事と生き物にとっての川底工事」

 各自が疑問に思ったり、課題と感じたりしたことをテーマにして、主体的にリーフレット作りに取り組む姿に感心しました。

 

 4年生常盤っ子のみなさん! とても落ち着いたすばらしい学習振りでしたよ!! 教室におじゃましたときに、周りへの気遣いもしつつ、気さくに話し掛けてくれて、とてもうれしかったよ!! みなさんのステキな笑顔やウェルカム振り、温かな雰囲気に癒されました。 ありがとうーーーーー!!

チャットGPT講座【弓削商船高等専門学校から講師を招聘して】

2023年6月20日 09時05分

 先週末の6/16(金)、弓削商船高等専門学校から3名の講師と1名の学生さんをお招きして、TEAM常盤スタッフを対象とした「チャットGPT講座」を開いてもらいました。

 自身が岩城村立岩城小学校(約30年前…当時は岩城村でした。)に勤務していた頃の教え子H君が、現在、弓削商船高等専門学校で教鞭をとっており、その縁で今回の講座が実現しました。

 当初は、高学年の常盤っ子を対象にしたプログラミング教室を開催できないかと相談していましたが、児童の発達段階や人数的な課題(使用機器・器具数に対して児童数が若干多い)等があり、実現に至りませんでした。その代替案としてH君始め弓削商船の先生方が提案してくださったのが、教員向け「チャットGPT講座」でした。

 TEAM常盤スタッフ間でも「チャットGPT」の学校現場への影響が議論(懸念)され始めていたところでしたので、渡りに船とばかりに開講をお願いしました。

 本日(6/20)の地方新聞朝刊8面にもその記事が掲載されておりますが、以下の内容で、大変分かりやすく、また、具体的に教えていただきました。講義をしてくれたのは、弓削小学校卒で現在弓削商船で教鞭をとっているM君でした。(現上島町では優秀かつ郷土愛に溢れた人材がたくさん育っているようです!)

1 チャットGPTとは?

2 対話型AIサービスについて

3 チャットGPTのアカウント作成と使い方の実技研修

4 児童の活用・乱用・誤用事例について

5 教員の活用事例の紹介

6 利用上の注意点について

 チャットGPTを活用してできることは、「文章の要約・翻訳」「教科等の問題作成(解答と解説付き)」「シラバスやプレゼン資料の作成」「詩や作文、論文、小説の作成」「AI家庭教師」等々、多岐にわたるとのことでした。分かりやすく表現しますと「言語に関わる全ての事柄に活用できる!(乱用・悪用も含めて)」わけです。そうしたこともあり、その普及スピードはNetFlixより高速で、米国医師試験の合格ラインに達する程度の能力・性能を備えているとのことです。

 加えまして、こうした普及状況を受け、この3月にはそれまで使用年齢制限がなかったチャットGPT(GPT3.5)「13歳以上、18歳未満は保護者の許可が必要」という年齢制限が加わったようです。(ちなみにチャットGPTには「ChaGPT(GPT3.5)」「ChatGPTPlus(GPT4)」「BingAI(GPT4)」の3種類があるそうです。)

 こうした中、文科省からは、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」などの授業における活用について、夏前までにガイドライン(指針)を示すとの発表が、5月中旬にありました。今後、チャットGPTを始めとした対話型人工知能が、学校現場(教育界)にどのような影響を与えるのかが心配されますし、私たちはその対応について真剣に考えなければならない局面に立たされています。

 新聞記事にもありましたように、実技研修も交えました講義を拝聴しまして、TEAM常盤スタッフは、「効果的に活用すれば無限の可能性を秘めていること」「使い方(使われ方)を間違えると大変な事態を招きそうであること」の両面を痛感しました。

 弓削商船高等専門学校の先生方、学生さん(ちなみに、当日来校してくれた5回生の学生さんは、鳥生小学校勤務(教頭)時代に小学生だったS君でした。縁の深さに驚き、感謝した日となりました。)、大変有意義で貴重な時間をご提供くださり、ありがとうございました。とても勉強になりました。皆さんの益々のご活躍とご多幸を、TEAM常盤スタッフ一同、心より祈念しております。 

第3回非常時対応訓練【地震・津波】

2023年6月16日 13時25分

 梅雨の晴れ間。爽やかな青空が広がっています!

 さて、先日の「引き渡し訓練」に続きまして、本日は「地震・津波」対応の非常時対応訓練を実施しました。

 巨大地震発生後、津波警報等が発表された場合は、常盤小学校では、基本的には「市民の森」の高台に2次避難する方針です。

【重要】したがいまして、万が一の場合の保護者の皆様への児童引き渡しは、運動場ではなく「市民の森」になる可能性もあります。どうかお知りおきください。 

 今回は、その前段階の訓練として、あるいは、「蒼社川氾濫・決壊」を想定しまして、「校舎3階」への2次避難訓練を実施しました。

 訓練の流れシチュエーション設定は、以下のとおりです。※ 校内で一番弱い存在であるとともに、小学校での地震・津波対応訓練初体験1年生の反応・姿が心配でしたので、本日は1年生と行動を共にしながら様子を見守りました。

 

1 告知

 緊急地震速報の警告音(チャイム音)を、校内に流しました。これを受け、子どもたちは、置かれている状況に応じて、下のような自助行動をとりながら、揺れがおさまるのを待ちました。

★「サルのポーズ(※机がある場合→①机の下にもぐって頭を守る。②両膝を床につけて、机の脚の上の方を両腕を広げて持つ。③机の脚が4本の場合は斜め(対角線)に持つ。④机が大きくて手が届かない場合は、1本の脚を両手でしっかり持つ。)」

★「ダンゴムシのポーズ(※机がない場合(屋内運動場や廊下・階段、屋外など)→①大きな危険にお尻を向ける。②膝と足の甲を床につける。③両手で頭を守る。)」

 人生初の小学校地震対応訓練にもかかわらず、1年生常盤っ子たちは、一人としておしゃべりをする子はおらず、また、パニックになっている子もいませんでした。

 

2 避難

 地震が一旦おさまったことを受け、校内放送により、津波対応のための2次避難指示「先生の指示に従って、余震に気を付けながら校舎3階へ避難しなさい。」が出されました。

 TEAM常盤スタッフの指示の下、子どもたちは廊下に移動・整列。この間も話し声は全く聞こえませんでした。(※ただし、ややテンション高めの子どもが数名見られました。間髪入れず、担任から注意喚起の短い声掛けがありました。)

 「これから3階に避難します。まだ余震があるかもしれません。落ちてくるものなどに気を付けながら避難します!」

 「前の人を押したり、追い越したり、しゃべったりしてはいけません。教室に戻ってもいけません。では出発します!」

の指示の後、一斉に3階に向かっての避難が始まりました。

 

  両手で頭を守りながら避難する友達を見て&真似て自身の自助行動のレベルアップが自主的にできていた1年生の姿には感心しました。(※今回は、初回ということもあり、あえて指導をしませんでしたが、次回からは「頭の守り方(手、教科書、座布団、体操袋など、手近にある物で頭を守る方法)」も子どもたちに指導する予定です。)

★ 上記の避難行動の際、授業担当のなかったTEAM常盤スタッフは手分けして、各階の教室やトイレを巡視し、取り残されている児童の有無を確認(「ここに誰かいますか?いたら返事をしなさい!」)して回りました。

 

3 点呼(人員確認)

  元々3階の各教室で授業を受けていた子どもたちは、そのままその教室で待機する形をとってもらいました。どの教室の子どもたちもご覧のような(下の写真)様子で、静かに落ち着いて待機してくれていました。

  一方、階下から避難してきた子どもたちは、本館及び北校舎の3階廊下で規律ある行動をとることができていました。

 日頃から鍛え、磨き、身に付けてきた黙動等の態度やマナーが、こうした非常事態に発揮されるのだな…と、改めて痛感しました。やはり日頃の積み重ね「底力(人間の根っこ)」となるのですね。

 

人員確認(点呼)は、次のようなシステムで行いました。

① 授業者による各学級単位での人員確認(点呼)が完了したら確認結果を学年主任に報告する。

② 学年主任は、学年部の報告結果を取りまとめ、校舎リーダー(本館1名/北校舎1名)に報告する。

③ 校舎リーダーは自校舎の報告結果を取りまとめ、本館と北校舎をつなぐ2階廊下で待機している教頭に報告する。

④ 教頭から校長に最終報告をして完了。

 

4 校長講評

 校内放送を使って、以下のような話を全校児童にしました。 

 非常時の重要事項3点(下の3点)につきましては、ペーパーにプリントアウトして各学年主任さんに渡し、子どもたちに提示してもらいながら話しました。

 

 

5 各学級での振り返り

 訓練後は、各学級の教室に帰り、担任スタッフと一緒に非常時対応訓練の振り返りと反省をしてくれていました。自分自身と学級の様子を、真剣に振り返ってくれていました。

 次回の非常時対応訓練は、本日の訓練で身に付けた知識とスキルを基に、授業時間でない「掃除」「休み時間」等(先生等がそばにおらず、指示をもらえないシチュエーション)に実施して、常盤っ子たちの成長課題点の確認をしたいと考えています。

ショート児童集会【運営委員会プレゼンツ】

2023年6月15日 10時15分

 本日、授業前の15分間を使って、運営委員会主催の「運営委員会プレゼンツ発表集会(ショート)」がありました。

 集会のねらいは、

 自分の花を咲かせるために、代表委員会で話し合ったことや、自分や友達ががんばっていることを紹介することで、友達のよさを知ったり自分もがんばろうとする意欲を高めたりする。

 でした。

 集会の開始時刻は7:55でした。7:50頃に「集会開始5分前だな。」「やけに静かだけど、子どもたちはまだ教室にいるのかな?」「低学年の子どもたちは、職員室前の廊下を歩いて移動するはずだけど……子どもたちの気配を全然感じないなあ…。」等々、あれこれ考えながら朝のルーティン業務をこなしていました。

 その後、集会開始時刻の1分前に屋内運動場に足を運びましたら、なんと既に全校児童の移動は完了していました。(子どもたちは、整然と黙動で移動を完了していたのでした。)

 シーンと静まり返った屋内運動場のフロアに全校児童が座り、集会が始まるのをじっと待っていました。「水を打ったような静けさ」とは正にこのこと! 屋内運動場は静寂に包まれ、耳に響くのは、屋内運動場の屋根をたたく雨音だけ…。

 改めて、常盤っ子「確かな育ち」「伝統(常盤プライド)の継承」「当たり前のことが当たり前にできる姿」を見させてもらい、感激しました。

 

 集会は、集会委員会児童の進行の下、以下のようなプログラムで構成されていました。

1 「ステキな常盤小学校」の紹介

 ① 第1回代表委員会「わたしたちの『あじさい』を考えよう」で話し合った内容の発表

 5/29のブログでも紹介しましたが、第1回代表委員会では、「わたしたちの『あじさい』を考えよう」という議題の下、「自分のあじさいを咲かせるためにどんなことができるか」について、全校の代表者(各委員会の代表児童や各学級の代表児童)が、積極的かつ意欲的かつ主体的に話し合ってくれていました。 

 集会では、この第1回代表委員会で話し合われたことについて、運営委員会児童が発表してくれました。

「あじさいフェアリー」登場!!

 

 

 ② 全校児童が咲かせ始めている「あじさいの花」の紹介

 こちらも、先日(6/8)のブログで紹介しましたが、「わくわくロード」の掲示板に掲示されている全校児童の「あいさいの花・メッセージカード」の一部を、運営委員会児童が紹介してくれました。

 自身をじっくり振り返って書いたメッセージ友達の頑張りやすごさを紹介したメッセージ常盤小学校をより良くしていきたいとの思いを込めたメッセージなど、様々な視点から書かれた「あじさいメッセージ」をプレゼンも映示しながら紹介してくれました。

 

2 感想発表〔各学年の発表希望者〕

 運営委員会の発表を聴いての感想を、各学年の代表児童が発表してくれました。各学年の代表として感想発表をしてくれた児童は、事前に発表者として決められていたわけではなく、自らの意志で挙手し、全校児童の前で発表をしてくれました。とても勇気のいる行動だと思います。こういう児童がさらに増えてくれることを願うばかりです。

 

3 校長先生のお話

 最後に、校長から全校児童に次のような話をしました。

〇 第1回代表委員会での話合いの様子は、校長先生も見させてもらいました。参加していた代表児童全員が、自分の考えや意見をしっかりもって話合いに参加していて、すばらしい代表委員会でした。「日本一の代表委員会かも!」と思うぐらいステキな話合いでした。

〇 運営委員会の皆さんの発表は「あじさい」についての発表や紹介でした。全校のみなさんが、少しずつ自分色のあじさいの花を咲かせてくれていることがとてもうれしいです。

〇 今日は「あじさい」「い」「いのちある すべてのものを リスペクト」について話します。みなさん、担任の先生から悲しいお話を聴きましたか?(※児童の反応→複雑な表情でウンウンとうなずいていました。)そうですね…。一昨日、ウサギのマロンさん(※マロンさんへのリスペクトの念から「さん付け」で呼ばせてもらっています。)が亡くなってしまいました。マロンさんは、校長先生よりもずっと年上で、人間でいうと90歳を超える年齢だったと聞いています。(ちなみに、世界一長寿のウサギはオーストラリアのウサギで、122歳(実年齢18歳10か月)だったそうです。)

 ウサギさんは、寂しがり屋の動物で、一人でいると寂しくて命を落としてしまうことがあると聞いたことがあります。でも、マロンさんは、常盤小のウサギ小屋で長い間一人で生活してきましたね。なのに、マロンさんはとても長生きしてくれました。一人で寂しかったはずなのにどうしてでしょう? 実は、ウサギさんが長生きするためには、必要なことがいくつかあるそうです。その中に、「たっぷりの愛情」「コミュニケーション」があるそうです。校長先生はこう思います。きっと常盤小学校のみなさん(みなさんの先輩も含めて)と先生方が、「たっぷりの愛情」をマロンさんに注ぎ続けてくれたこと、そして、「マロンさんのお世話を心を込めてしてくれたり、優しく話し掛けたり」し続けてくれたこと、こうしたことがマロンさんの長生きに結び付いたのではないかな…と。校長先生は、マロンさんは常盤小学校のみなさんと過ごすことができて、きっと幸せだったにちがいないと思っています。

【大雨警報発表時(6/2)に校舎内に

避難していた際のマロンさん】

〇 お話の最後に、校長先生からのお願いです。みなさんがマロンさんにしてくれたように、お友達やご家族、動物、野に咲く草花や樹々、小さな虫など、命あるすべてのものにリスペクトの心をもってこれからも接してほしいと思います。

 そして、常盤小学校のみなさん「自分色のあじさいの花」を咲かせてくれることを願っています。以上です。

 進行役を務めてくれた集会委員会児童のみなさん&企画・発表・各種パフォーマンス披露をしてくれた運営委員会児童のみなさん、そして指導してくださった関係TEAM常盤スタッフの皆さん、心に残る集会をありがとうございました!